「もうこの人とはやっていけない」「一人で育てた方が楽」
産後にこうした考えが頭をよぎるのは、あなただけではありません。子どもが0〜2歳の時期に離婚を決意する夫婦は全体の約4割。産後は夫婦関係において最も危険な時期です。
ただし、今この瞬間に判断を下すのは待ってください。
「離婚したい」の正体
産後の「離婚したい」という気持ちには、いくつかの原因があります。
ホルモンの影響。
オキシトシンの攻撃性促進作用で、パートナーへの嫌悪感が増幅されている可能性。
極度の疲労。
慢性的な睡眠不足と育児ストレスで、正常な判断力が低下している状態。
不公平感の蓄積。
「私ばかりが犠牲になっている」という感覚が、離婚という極端な解決策に向かわせる。
コミュニケーション不全。
伝えたいことが伝わらない、わかってもらえないという絶望感。
これらは産後クライシスの典型的な症状であり、多くの場合、時間と適切な対処によって和らいでいきます。
判断を急がないでほしい理由
①ホルモンが安定していない状態での判断は危険。
産後のホルモンバランスが落ち着くまでには、個人差がありますが一般的に1〜2年程度かかります。この間の判断は、平常時のものとは質が異なります。
②シングルで育てる現実は想像以上に厳しい。
経済面、時間面、精神面——離婚後の生活を冷静にシミュレーションしてみてください。
③子どもの存在。
子どもにとって両親が揃っている環境がベストかどうかは一概に言えませんが、少なくとも感情的な判断で決めるべきではない問題です。
今やるべきこと
「離婚するかどうか」ではなく「今の辛さをどう和らげるか」に集中する。
離婚を考えるのは、ホルモンが安定して冷静に考えられる状態になってからでも遅くありません。
第三者に相談する。
自治体の相談窓口、子育て支援センター、夫婦カウンセリング——感情を整理するために、夫婦以外の誰かに話を聞いてもらってください。
パートナーに「限界が近い」と伝える。
離婚を切り出す前に、「今、本当に辛い」ということだけでも伝えてみてください。
DVやモラハラ、依存症などの問題がある場合は話が別です。速やかに専門機関に相談してください。
書籍では、離婚回避の具体的なステップと、冷却期間の過ごし方プランを詳しく解説しています。
もっと体系的に取り組みたい方へ:現在、産後クライシスを夫婦で乗り越えるための実践ガイドを執筆中です。完成次第、こちらでお知らせします。
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※この記事は夫婦関係の改善を目的とした情報提供であり、医療上のアドバイスではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけの産婦人科や心療内科にご相談ください。